あん摩マッサージ指圧師 過去問
第33回(2025年)
問64 (午前 問64)

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問題

あん摩マッサージ指圧師試験 第33回(2025年) 問64(午前 問64) (訂正依頼・報告はこちら)

異常歩行と疾患の組合せで正しいのはどれか。
  • トレンデレンブルグ歩行 ――――― 変形性股関節症
  • 分回し歩行 ――――― 脊髄小脳変性症
  • はさみ脚歩行 ――――― 大腿骨頭壊死症
  • 小刻み歩行 ――――― 進行性筋ジストロフィー

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この過去問の解説 (3件)

01

脳神経系や運動器などの異常により、

特徴的な歩容を示すことがあります。

 

選択肢1. トレンデレンブルグ歩行 ――――― 変形性股関節症

トレンデレンブルグ歩行では、

患側の足で立ったとき、

地面から離れた健側の骨盤が下に下がる

様子がみられます。

 

変形性股関節症は、

何らかの原因で

股関節の関節軟骨が変性する疾患です。

 

おもな症状には、股関節痛などのほか、

トレンデレンブルグ歩行が

みられることがあります。

 

トレンデレンブルグ歩行と

変形性股関節症は

正しい組み合わせであるといえますので、

これが正答であると考えられます。

 

選択肢2. 分回し歩行 ――――― 脊髄小脳変性症

分回し歩行は、

地面から離れた患側の足を

外側に円を描くようにふり回す歩き方です。

 

脳梗塞の後にみられます。

  

脊髄小脳変性症は、

小脳などの神経細胞が変性するために

生じる疾患です。

 

歩行時のふらつきなどがみられます。

 

以上より、分回し歩行と脊髄小脳変性症は、

正しい組み合わせではないと考えられます。

 

選択肢3. はさみ脚歩行 ――――― 大腿骨頭壊死症

はさみ脚歩行は、

下肢は伸展、内転して、

内反尖足で床をこすりながら、

両足をハサミのように

組み合わせた歩き方です。

 

脳性麻痺などでみられます。

 

大腿骨頭壊死症は、

大腿骨頭の一部が壊死してしまう疾患で、

股関節痛などの症状のほか、

跛行がみられることがあります。

 

以上より、はさみ脚歩行と大腿骨頭壊死症は、

正しい組み合わせではないと考えられます。

 

選択肢4. 小刻み歩行 ――――― 進行性筋ジストロフィー

小刻み歩行は、

歩幅が著しく狭くなる歩き方です。

 

パーキンソン病や水頭症などの際に

みられます。

 

進行性筋ジストロフィーは、

骨格筋の壊死と再生が繰り返される

遺伝性の疾患です。

 

筋力低下により、

動揺性歩行(あひる歩行)などがみられます。

 

以上より、

小刻み歩行と進行性筋ジストロフィーは、

正しい組み合わせではないと考えられます。

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02

歩行のメカニズムと疾患の特徴を理解しておきましょう。

選択肢1. トレンデレンブルグ歩行 ――――― 変形性股関節症

トレンデレンブルグ歩行は中殿筋の活動異常(低下や遅延)で見られます。

変形性股関節症と他に大腿骨骨折でもトレンデレンブルグ歩行がみられるとされています。

よって〇です。

選択肢2. 分回し歩行 ――――― 脊髄小脳変性症

脊髄小脳変性症による歩行の異常は酩酊歩行と言われ

ふらつきやよろめきが見られ、お酒に酔っているような歩行が見られます。

よって✕です。

選択肢3. はさみ脚歩行 ――――― 大腿骨頭壊死症

はさみ脚歩行は痙性対麻痺(脳性の異常で自分で体が動かせないほどしびれや麻痺がおこっている状態)に見られます。

大腿骨頭壊死症では踏み出す際の股関節の痛みなどが発生します。

よって✕です。

選択肢4. 小刻み歩行 ――――― 進行性筋ジストロフィー

進行性筋ジストロフィーではアヒル歩行(アヒルのように体幹を前後左右に揺らしながら歩く)が見られます。

小刻み歩行はパーキンソン病など(神経疾患)で見られる歩行です。

よって✕です。

まとめ

歩行を観察することで

罹患している可能性のある傷病を絞ることができます。

聞き取りだけでなく、視診、観察も重要な手がかりです。

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03

トレンデレンブルグ歩行 ― 変形性股関節症 が正しい組合せです。
股関節の変形により中殿筋が弱ると、立脚側の骨盤を支えきれず歩くたびに体幹を左右へ大きく振る「トレンデレンブルグ歩行」がみられます。

選択肢1. トレンデレンブルグ歩行 ――――― 変形性股関節症

◎ 正しい。

股関節の痛み・筋力低下で中殿筋が働かず、片脚支持期に骨盤が下がるため体を反対側へ傾けてバランスを取ります。

選択肢2. 分回し歩行 ――――― 脊髄小脳変性症

× 分回し歩行(下肢を外側へ振り回す円弧状歩行)は脳卒中後などの片麻痺に典型です。小脳変性症ではフラフラする失調歩行が主体になります。

選択肢3. はさみ脚歩行 ――――― 大腿骨頭壊死症

× はさみ脚歩行(両膝がこすり合うような歩行)は両下肢の痙性が強い脳性まひでみられます。大腿骨頭壊死症では痛みによる跛行は起こりますが、はさみ歩きにはなりません。

選択肢4. 小刻み歩行 ――――― 進行性筋ジストロフィー

× 小刻み・前傾姿勢で歩幅が次第に狭くなる歩行はパーキンソン病の特徴です。

筋ジストロフィーでは鴨状の動揺性歩行が目立ちます。

まとめ

歩行異常は原因疾患ごとに特徴が分かれます。

股関節疾患で中殿筋が弱い → トレンデレンブルグ歩行

片麻痺 → 分回し歩行

痙性麻痺(脳性まひ) → はさみ脚歩行

パーキンソン病 → 小刻み歩行
この対比を覚えておくと、病態推定に役立ちます。

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