あん摩マッサージ指圧師 過去問
第33回(2025年)
問65 (午前 問65)

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問題

あん摩マッサージ指圧師試験 第33回(2025年) 問65(午前 問65) (訂正依頼・報告はこちら)

下肢切断と起こりやすい関節拘縮の組合せで誤っているのはどれか。
  • 大腿切断 ――――― 股関節屈曲拘縮
  • 下腿切断 ――――― 膝関節伸展拘縮
  • サイム切断 ――――― 膝関節屈曲拘縮
  • リスフラン関節離断 ――――― 足関節屈曲拘縮

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この過去問の解説 (3件)

01

下肢切断の原因は、

外傷や疾病の合併症による場合が

大半を占めるといわれています。

選択肢1. 大腿切断 ――――― 股関節屈曲拘縮

大腿切断により、

屈筋の作用が強まるため、

股関節の屈曲拘縮を生じやすいと

考えられますので、

これは正しい組み合わせであるといえます。

 

選択肢2. 下腿切断 ――――― 膝関節伸展拘縮

下腿切断では、下腿を切断しますので、

屈筋の作用が強まる、

断端処理の影響により

膝関節伸展時に

痛みを感じることがあるなどの理由から、

膝関節屈曲拘縮を生じやすいと考えられます。

 

誤っている組み合わせを選びますので、

これが正答であるといえます。

選択肢3. サイム切断 ――――― 膝関節屈曲拘縮

サイム切断は、

足関節レベルで行われますので、

膝関節周囲の筋肉への影響は少なく、

拘縮を生じにくいといわれています。

 

しかし、

臥床や座位が長期にわたる場合などには、

膝関節屈曲拘縮を生じることが

想定されますので、

これは正しい組み合わせであると考えられます。

選択肢4. リスフラン関節離断 ――――― 足関節屈曲拘縮

リスフラン関節離断では、

足関節は残存しており、

足関節の底屈、内反を生じやすいと

いわれています。

 

過去に足関節の底屈を

「屈曲」と定義していた

経緯を踏まえると、

これは正しい組み合わせであると

考えられます。

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02

切断したことによる残存部位にかかるストレスなどのメカニズムを理解しておきましょう。

選択肢1. 大腿切断 ――――― 股関節屈曲拘縮

大腿切断をすると屈曲方向だけでなく、外転と外旋方向にも拘縮します。

理由は付着している筋肉の張力の不均衡によるものと言われており

大腿骨を切断した場合、屈筋の張力が強くなり屈曲拘縮が起こります。

よって✕です。

選択肢2. 下腿切断 ――――― 膝関節伸展拘縮

下腿切断では膝関節の屈曲拘縮が起こりやすくなります。

座位(車いす等)での生活が多くなり

健常時の歩行と比べ膝の伸展機能を特に必要としないためと言われています。

よって〇です。

選択肢3. サイム切断 ――――― 膝関節屈曲拘縮

サイム切断は足関節より下を切断した状態です。

荷重をかける部分を切断した場合、長時間の座位姿勢(車いすなど)が考えられるので

膝関節の屈曲拘縮が可能性として考えられます。

よって✕です。

選択肢4. リスフラン関節離断 ――――― 足関節屈曲拘縮

リスフラン関節を切断した場合

下腿三頭筋の筋力により底屈位に拘縮しやすくなります。

よって✕です。

まとめ

筋力の強さや考えられる日常生活肢位を覚えておくことにより

スムーズに答えを導き出せます。

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03

誤っている組合せは 下腿切断 ―― 膝関節伸展拘縮 です。
下腿切断後に起こりやすいのは膝の屈曲拘縮であり、伸展拘縮ではありません。

選択肢1. 大腿切断 ――――― 股関節屈曲拘縮

切断断端を楽に保とうとして腰掛け姿勢が長くなるため、股関節が曲がったまま固まりやすいのが典型です。

選択肢2. 下腿切断 ――――― 膝関節伸展拘縮

誤り
ベッド上や車いすで膝を曲げた姿勢が続くことが多く、膝は屈曲方向に拘縮しやすい。伸ばしづらくなるのが実際の問題となります。

選択肢3. サイム切断 ――――― 膝関節屈曲拘縮

足首離断(サイム)でも膝が曲がった姿勢が続くと屈曲拘縮が起こり得ます。

大腿・下腿切断ほど頻度は高くないものの、組合せとしては成立します。

選択肢4. リスフラン関節離断 ――――― 足関節屈曲拘縮

足部前方での離断では下腿三頭筋が優位となり、足関節が底屈(屈曲)方向に固まりやすい「尖足」になるのが典型です。

まとめ

大腿切断 → 股関節屈曲拘縮

下腿切断 → 膝関節屈曲拘縮(今回の設問は伸展と誤記)

サイム切断 → 膝関節屈曲拘縮が起こり得る

リスフラン離断 → 足関節底屈拘縮(尖足)

よって、提示された中で誤った対応は 「下腿切断 ― 膝関節伸展拘縮」 となります。

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