あん摩マッサージ指圧師 過去問
第33回(2025年)
問43 (午前 問43)

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問題

あん摩マッサージ指圧師試験 第33回(2025年) 問43(午前 問43) (訂正依頼・報告はこちら)

腹部の触診所見と病態の組合せで正しいのはどれか。
  • 波動 ――――― 腹水
  • 反跳痛 ――――― 肝硬変
  • 筋性防御 ――――― 腎囊胞
  • ランツ点の圧痛 ――――― 十二指腸潰瘍

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は「波動 ― 腹水」です。

波動は側腹部を手指で軽く好打し、衝撃を与えることで、腹水の有無を調べます。


 

選択肢1. 波動 ――――― 腹水

腹水があると、側腹部への打診の際、衝撃が反対側の側腹部に伝わります。

これを波動と言います。


 

選択肢2. 反跳痛 ――――― 肝硬変

反跳痛とは、腹部の圧痛部をゆっくり圧迫し、急に力を抜いた時に腹部の痛みが誘発されることを言います。

反跳痛がみられる場合、腹膜炎が疑われます。


 

選択肢3. 筋性防御 ――――― 腎囊胞

筋性防御とは、腹部を押した時、腹筋に強い緊張がみられることを言います。

腹膜炎でみられます。


 

選択肢4. ランツ点の圧痛 ――――― 十二指腸潰瘍

ランツ点とは、左右の上前腸骨棘を結んだ線上の右端3分の1の点を指します。

この部位に圧痛がみられる場合、急性虫垂炎の疑いがあります。


 

まとめ

波動は腹水の有無を確認する検査です。

筋性防御と反跳痛は腹膜炎でみられる所見です。

虫垂炎の圧痛点には、ランツ点の他にマックバーニー点があります。


 

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02

触診は、手で直接患者に触れることにより

身体の状態を調べることです。

選択肢1. 波動 ――――― 腹水

腹水がある場合に触診を行うと、

波動を触知します。

 

正しい組み合わせを選びますので、

これが正答であると考えられます。

選択肢2. 反跳痛 ――――― 肝硬変

反跳痛は、

腹部を圧迫し、

急に手を離したときに生じる痛みです。

 

腹膜に炎症を生じている際にみられます。

 

 

肝硬変は、

炎症により

肝臓組織が繊維化している状態です。

 

腹部の触診では、

右季肋部に腫大した肝臓を

触れることがあります。

 

 

以上より、

この組み合わせは正しいものではないと

考えられます。

選択肢3. 筋性防御 ――――― 腎囊胞

筋性防御は、

腹部を触診すると

腹壁の筋肉が緊張し収縮するもので、

腹膜炎など、壁側腹膜の炎症を示唆します。

 

腎囊胞は、

液体が貯留した嚢胞が

腎実質内にできる疾患です。

 

多くが超音波検査やC Tで診断されます。

 

以上より、

この組み合わせは正しいものではないと

考えられます。

選択肢4. ランツ点の圧痛 ――――― 十二指腸潰瘍

ランツ点は、

左上前腸骨棘と

右上前腸骨棘を結ぶ線を3等分したうち、

右側3分の1に位置する点です。

 

この点の圧痛は、急性虫垂炎を示唆します。

 

十二指腸潰瘍は、

胃に続く十二指腸に生じる潰瘍であり、

右上腹部痛などがみられます。

 

以上より、

この組み合わせは正しいものではないと

考えられます。

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03

波動 ―――― 腹水 が正しい組合せです。
腹水がたまると腹腔内に自由な液体ができ、腹壁を軽くたたくと反対側へ水のゆれ(波動)が伝わります。

これが「波動」の触診所見です。

選択肢1. 波動 ――――― 腹水

腹腔に液体が多いと水面が揺れ、腹壁を挟んで手に波が伝わります。

腹水の典型的所見です。

選択肢2. 反跳痛 ――――― 肝硬変

反跳痛(押して離すと痛む)は腹膜の炎症で起こり、急性腹膜炎や虫垂炎でみられます。

肝硬変そのものでは生じません。

選択肢3. 筋性防御 ――――― 腎囊胞

筋性防御は腹膜を刺激すると腹筋が自動的に硬くなる現象で、急性膵炎や消化管穿孔など急性腹症でみられます。

腎囊胞では通常みられません。

選択肢4. ランツ点の圧痛 ――――― 十二指腸潰瘍

ランツ点(右下腹部外側1/3と内側2/3の境)は虫垂炎の圧痛点です。

十二指腸潰瘍は心窩部が痛むのが一般的で、位置が異なります。

まとめ

波動 → 腹水(液体貯留を示す所見)

反跳痛・筋性防御 → 腹膜炎のサイン

ランツ点圧痛 → 虫垂炎の局所所見
このように、触診所見は病態とセットで覚えておくと臨床判断に役立ちます。

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